私たちは
相模原市の特徴でもある「豊かな自然環境」と「多様な都市機能」の中で
人と自然が共生するまちづくりを目指しています。
豊かな自然環境の中で生息している多様な生物がもたらす「やすらぎ」と「潤い」を
これからも大切にしていきたいと考えています。
相模原市とともに
人々の生活と多様な生物の生息・生育が両立する持続可能な社会の実現に寄与してまいります。
自然生態系を構成する動物、植物、微生物など地球上の豊かな生物種の多様性とその遺伝子の多様性、 そして地域ごとの様々な生態系の多様性をも意味する包括的な概念です。
1993年12月29日には、「生物多様性の保全」「生物の多様性の持続可能な利用」「遺伝資源の利用から生じる利益の公正かつ公平な配分」を目的として、日本を含む196ヵ国 の国々が生物多様性条約(The Convention on Biological Diversity(CBD) )に加盟し、国家戦略または国家計画を策定・実行しています。
遺伝子の多様性
ある一つの種の中においても遺伝子はそれぞれ異なります。遺伝子の多様性は、他の多様性と比べて目で見て理解することが難しいこともありますが、種の生存と適応において重要な役割があります。
遺伝子の多様性が高いことは、環境の変化に適用して生存するための遺伝子が種内にある確率が高いことを示しています。
従って、遺伝子の多様性が低い種は、環境の変化に適応できず種の絶滅を招く可能性が高くなります。
わたしたちの暮らしは、食料や水、気候の安定など、多様な生物が関わりあう生態系からの恵み(生態系サービス)によって支えられています。
・生きものが生み出す大気と水(基盤サービス)
・暮らしの基礎(供給サービス)
・文化の多様性(文化サービス)
・自然に守られる私たちの暮らし(調整サービス)
生きものが生み出す大気と水(基盤サービス)
植物が酸素を生み、森林が水循環のバランスを整えるなど、生命の生存基盤は多くの生きものの営みによって支えられています。
・酸素の供給
・気温、湿度の調節
・水や栄養塩の循環
・豊かな土壌
暮らしの基礎(供給サービス)
毎日の食卓を彩る野菜などの食料はもちろん、新聞や本などの紙製品や医療品など、生きものの遺伝的な情報、機能や形態も私たちの生活の中で利用されています。
・食べ物
・木材
・品種改良
・バイオミミクリー(生物模倣)
文化の多様性(文化サービス)
海に囲まれ、南北に長い国土と季節の変化に富む日本では、地域ごとに異なる自然と一体になって地域色豊かな伝統文化が育まれてきました。
・地域性豊かな文化
・自然と共生してきた知恵と伝統
自然に守られる私たちの暮らし(調整サービス)
豊かな森林や河川の保全は安全な水の確保や、山地災害の軽減、土壌流出防止など、私たちが安心して暮らせる環境の確保につながります。
・マングローブやサンゴ礁による津波の軽減
・山地災害、土壌流出の軽減
日本の生物多様性は4つの危機にさらされています。
過去にも自然現象などの影響により大量絶滅が起きていますが、
現在は第6の大量絶滅と呼ばれています。
人間活動による影響が主な要因で、
地球上の種の絶滅のスピードは自然状態の約100~1,000倍にも達し、
たくさんの生きものたちが危機に瀕しています。
第1の危機
開発や乱獲による種の減少・絶滅、生息・生育地の減少
鑑賞や商業利用のための乱獲・過剰な採取や埋め立てなどの開発によって生息環境を悪化・破壊するなど、人間活動が自然に与える影響は多大です。
第2の危機
里地里山などの手入れ不足による自然の質の低下
二次林や採草地が利用されなくなったことで生態系のバランスが崩れ、里地里山の動植物が絶滅の危機にさらされています。また、シカやイノシシなどの個体数増加も地域の生態系に大きな影響を与えています。
第3の危機
外来種などの持ち込みによる生態系のかく乱
外来種が在来種を捕食したり、生息場所を奪ったり、交雑して遺伝的な攪乱をもたらしたりしています。また、化学物質の中には動植物への毒性をもつものがあり、それらが生態系に影響を与えています。
第4の危機
地球環境の変化による危機
地球温暖化は国境を越えた大きな課題です。平均気温が1.5~2.5度上がると、氷が溶け出す時期が早まったり、高山帯が縮小されたり、海面温度が上昇したりすることによって、動植物の20~30%は絶滅のリスクが高まるといわれています。
わたしたちは、「さがみはら地球温暖化対策協議会(アースクールさがみはら) 」に加盟しています。
神奈川県(かながわ生物多様性計画) では、県内の地形や気候、土地利用の状況に応じて主な生態系を以下の4つのまとまりでとらえ、神奈川県の主な生態系に着目して、各エリアに即した取り組みを進めています。
(山地・森林生態系)
山地の森林を主体として係留や湧水なども要素として構成
(里地・里山生態系)
水田などの農地と周辺の二次林を中心として集落や水路、ため池なども要素として構成
(都市生態系)
樹林地や都市公園、農地などの小規模な生態系を要素として、モザイク状に構成
(陸水生態系と沿岸域)
河川や湖沼、藻場や干潟を含む内湾を中心とした沿岸域を要素として構成
そのうち、相模原市は、「山麓の里山エリア」「都市・近郊エリア(多摩丘陵・相模野台地)」に該当し、地域特性に応じた取り組みが求められています。
(山麓の里山エリア)
農業を有する多面的機能と農林業の営みを維持するため、里地里山の保全等の促進や野生鳥獣対策、市町村等による森林整備への支援、里山の自然環境を生かした都市公園の整備などを進めるエリア。
(都市・近郊エリア(多摩丘陵・相模野台地))
都市に残された身近な自然を保全するため、都市公園の整備や管理運営を行うとともに、多様な主体との連携・協働による緑地の保全などの取り組みを進めるエリア
相模原市は、津久井地域の豊かな自然や、旧相模原市域の都市機能が集まる市街地等、多様な環境の下で多様な生物が生息・生育しており、豊かな自然環境に恵まれた都市です。
私たちは、「さがみはら生物多様性ネットワーク」に加盟しており、みどり豊かなまちづくりを推進することで、豊かな自然環境を活かして「自然と人が共生するまち相模原」の実現に寄与してまいります。